千葉和彦税理士事務所 宮城県塩釜市玉川1-2-40
デフレ下の経営戦略
 (平成24年11月)
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「御社は創業してから何年になられるのですか?」経営者の方にお会いすると、つい聞いてしまいます。

数年前から個人的にも老舗企業に深い関心があるため、初めてお会いした社長さんにも失礼と思いながらも聞いてしまうのです。
今月も当社の関与先さんの創業60周年記念祝賀会が開催され、私と副所長もご招待を受けました。
統計上、創業60周年の企業は、わずか4.4%しか存在していないことを考えると、とても凄いことです。敬意を込めて祝福させていただきました。

ところで企業が存続し続ける要素はいくつかありますが、①利益を出し続けること。②後継者がいること。の二つは必須条件です。
そして、利益を出し続けるためには、しっかりした経営理念、環境の変化を見据えた経営計画、経営戦略が必要になるのです。

その利益ですが、一時的に大きな利益を出すことは、比較的できるかもしれませんが、継続して出し続けることほど困難なことはないと思います。
経済が右肩上がりの時は、なにが何でも拡大戦略が正しい方法として、高い目標を掲げがんばってきた経営者の方も多いと思います。
私も良くセミナー等では、「会社というものは毎年黙っていても固定費が増大するのだから、売上拡大、規模の拡大は経営者の宿命で、それが出来ない人は、経営者を辞めた方がいい。」とまで言ってきました。

しかし、今の時代どうでしょうか?給料は毎年上がるでしょうか?
旅費交通費や通信費は毎年値上がりしているでしょうか?
交際費のゴルフのプレー代は値上がりしているでしょうか?
むしろ低下傾向が続いています。
そうすると固定費は思ったほど上がっていかないのです。

従って、この時代に合った経営戦略をたてなければなりません。
むやみに売上拡大、規模拡大をはかりますと、安売り合戦に巻き込まれるケースが多いようです。それを量で取り返そうと無理するため、人も設備も疲弊していきます。

中小企業は決して価格競争に巻き込まれてはなりません。そのためには、規模は小さくてもしっかり儲かる会社を作ることが重要です。

人や設備を増やさない利益率の高い会社です。そうすれば無理に値引きを要求してくる取引先とも付き合う必要がなく、ストレスも減ります。

この場合の一人当たりの売り上げの目安ですが、どんな業種にも通用する限界利益(売上から仕入れ、材料費、外注費等の変動費を除いた粗利のことです。)で考えます。
最低目指すは、一人当たりの限界利益1000万円です。
しかしこれでは世間並みの報酬・給与しかとれません。

世間並み以上の給与をもらい、楽しく仕事をして、自己を成長させていくには、2000万円を目標にすべきです。
パートさんは2人で1人と考え、限界利益を社員数で割れば一人当りの数字がでてきます。

そうすれば、小規模でも高収益なしっかりした会社になり、存続の要件である、利益を出し続ける会社になることが可能です。

入らない物はどんどん処分して設備の空間を作り、人も増やさず、顧客も絞って、是非経営者も幹部も社員も幸せになれる会社作りを目指していきましょう。
この時代の存続の道はそこに秘訣があるのではないでしょうか?

是非この夜長に経営戦略の見直しをお勧めします。

2012年10月31日(水) 著 者   千葉  和彦 

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