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平成25年度税制改正を読み解く
 (平成253月)

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安倍政権に対する期待から、円安、株価上昇が続いています。

そのため平成25年税制改正も、成長を第一義に掲げる安倍政権の思惑を色濃く反映したものとなりアベノミクスで目指す経済成長を税制で支援するという明確な意思が示されています。

 

具体的には、企業の設備投資と雇用増を促しやすいようになっています。

設備投資をした企業は、30%の特別償却や税額控除などを取りやすくしていますし、雇用に関しては、従業員数を増加させた場合は、従来一人当たり20万円の税額控除を40万円まで減税額を拡大、さらに従業員数だけでなく支給額を5%以上増加させた場合は増加額の10%を税額控除できるようにします。

そのほか、資本金1億円以下の企業は交際費800万円まで全額損金算入ができるようにし、積極的に交際費を使わせ景気を盛り上げようとしています。

 

しかし、政府の懸念は来年4月からの消費税率の引き上げです。景気が冷え込まないか、あるいは、駆け込み需要が発生しないか等々です。

すでに決まっている経過措置としては、今年9月までに住宅等の請負契約をした場合に完成が来年4月以降にずれ込んでも5%の税率で構わないという点です。9月までの駆け込み需要は避けられません。

 

ただし、消費税のアップはあくまでも今年4月から6月の景気を見て9月までに決めることになっていますので、政府は消費税を上げるためには、何としてもこの間の景気を良くしなければなりません。もちろん参院選も控えていることを考えればなおさらです。

 

また住宅ローン控除の借入限度額を来年4月以降4000万円に引き上げることで消費税の上昇分を少しでも緩和しようとしているようですが、この経過措置と住宅ローン控除の併用はできないようになっていることに注意が必要です。

使い勝手が悪く、人気のなかった事業承継税制(非上場株式などに係る相続税・贈与税の納税猶予の制度)は要件が大きく緩和され、今後の事業承継対策の選択肢に加えることができそうです。

 

平成271月以後に相続、贈与により取得する非上場株式等については次のような見直しが行われています。

@相続人でなく、他人でも後継者になれる。

A先代経営者が役員にとどまっていても、贈与認定が受けられる。

B役員である贈与者が認定企業から給与の支給などを受けた場合でも、贈与税の納税猶予の取消事由に該当しない。

C雇用人数は5年間平均で80%を下回らなければ良い。

 

今後この制度の活用を積極的に検討していく必要がありそうです。

 

最後に今回の目玉は、教育資金の一括贈与の特例です。祖父母が孫などに、将来の教育資金をまとめて譲り渡した場合、一人当たり1500万円までなら贈与税がかからない制度です。

贈与直後に贈与者に相続が発生した場合は非課税規定なので、住宅資金贈与と同じく加算されないのか?いったい教育資金支出にはどの範囲まで含まれるのか?などの不明点がありますが、その点が明らかになれば、相続対策としても活用できそうですね。今月国会を通過した時点で多くの疑問点は解消されるものと思います。詳しく決まりましたら随時お伝えしていきたいと思います。

 

 

2013228()  著 者  千葉 和彦

http://hpcounter1.nifty.com/cgi-bin/counter.cgi?u=TKC07297&p=9&c=6

 

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