千葉和彦税理士事務所 宮城県塩釜市玉川1-2-40

一社依存から脱出しよう!
(平成26年6月)

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 中小企業には一社依存タイプの会社が多い。業種でいえば、製造業、建設業、運輸業が特に多いように思われる。もちろん販売業でも一社依存型のところもある。一社依存型、専属下請型は元請けが好調なときは、その影響で販売などの苦労をしないで食べる分は稼げる。しかし、一度不況に陥れば、そのしわ寄せは下請けにくる。大企業の再建策は徹底したコストダウンに絞られるので、下請けに対する締め付けは厳しくなるという訳だ。ある会社も自社の元請けのメーカーとちょっとしたトラブルをおこしたことから、受注が大幅に減り倒産してしまった。ある会社は、元請けのメーカーがその部分の製造を海外に移転したため、受注がまるっきりなくなり廃業に追い込まれた。どちらも一社依存型の典型的な会社だった。

 社長の仕事は、本来、トップ営業や商品開発、技術開発、人材育成等の仕事だが、下請企業の社長の仕事は、元請けにいかに切られないようにするかが最優先課題となる。依存先企業を怒らせることが自社の死活問題になるから、ゴルフや飲食接待に励むことになるのもいたし方ない。私の知っている社長は、夜、自宅で風呂に入ってくつろいでいても、その元請けの担当部長から呼び出しがかかると、着替えてその飲食店に出かけていく。「ゴルフも手を抜いたように見られないように負けなければならないから大変だ。この間は頭にきて誰もいないところで、クラブをへし折ってしまった。」と話していた。笑い話のように話していても社長の精神的な負担は計り知れない。

  しかし、元請けに負けない下請け会社もある。ある下請町工場は、大企業のメーカーから、その技術力で一目置かれているために仕事が切れることがない。以前値下げ交渉があった時も、ガンとして断ったと社長は話していた。これも他の下請け先にない技術力があるからだ。たとえ下請けの仕事でも仕事がくるということは、自社に「何か」あるはずで、その「何か」を突き詰めれば、自社の強みとも言えるものが見えてくる。その「自社の強み」をしっかりと見極め、他の企業にもアピールして、取引先の多角化を図る営業努力をすべきである。ある運送会社の社長は「我々が今日まで生き延びてきたのは、どんなに条件が良くても大手運送業社の下請けは断り、荷主から直接に仕事を請け負うことを貫いてきたからです。」と話していた。毎年好業績を出し続けているわけである。

 取引先の多角化も社長一人の力だけで、できるものではない。「将来こういう会社にしたい」という将来像を素直に社員に示し、社員の理解と協力を求めることは当然必要になる。その場合、改めて「経営計画」が必要になる。「どうせ難しい」と諦めずに「経営計画」をしっかり立て、社員に示し、社員の協力を得ながら進めば必ず実現できる。実際、そのようにして、下請け脱出をした会社を何社も見ている。トップの「覚悟」と「実行」だけが必要なだけだ。是非諦めずに挑戦してほしい。自社が存続し続けるために・・・。
 
2014年5月26日(月)  著 者    税理士  千葉 和彦

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