千葉和彦税理士事務所 宮城県塩釜市玉川1-2-40

新税制と相続・事業承継 …法律は知っている人の見方です。…
(平成27年 1月)

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 平成27年度からの相続税改正の実施で基礎控除が40%も削減された。その結果、納税者は昨年までの約2倍になるということが喧伝され、まさしく昨年末からマスコミやセミナー等ではその話題で持ち切りだったといえる。

しかし、その一方で、平成25年改正で非常に使いやすくなった事業承継税制が、いよいよ27年度から実施されることはあまり話題にあがってこなかった。

この制度は簡単に言えば、後継者が自社株の80%の部分の相続税を納税せず(一旦納税猶予し)、次の後継者に贈与した場合、その相続税が最終的に免除される可能性があるという制度だ。

自社株の相続税対策は、役員退職金などの支払いで株価評価が下がったタイミングで後継者に贈与していくという対策が多いが、自社株の評価が高くなり過ぎた場合は、焼け石に水で、何をやっても評価は下がらない。そのような優良企業にこそこの事業承継税制は有効だ。自社株の相続税対策として是非検討してもらいたい。

 ただ、この税制を活用するにしても、他の対策をとるにしても、後継者が決まっていなくては対策の取りようがない。

まずは、後継者を決めることが大前提だ。

しかし中小企業の約70%は現在も後継者が決まっていないという統計も出ているくらい、後継者の問題は深刻だ。また、よしんば、後継者が決まっていても株式の異動ができないでいる経営者も多い。それは、万が一、後継者が事故等で亡くなった場合に、その自社株式がその後継者の配偶者へ相続され、その配偶者一族に会社を乗っ取られるかもしれないなどと考え、考えれば考えるほど身動きが取れなくなってしまうのだ。

このように後継者問題、事業承継問題は株式異動ひとつ取っても多岐にわたり複雑だ。

 さて、ここで信託の話だが、昨年から何度もお知らせしてきたように、その時こそ威力を発揮するのが信託ではないだろうか。

信託契約で長男等の後継者に万が一のことがあった場合に、配偶者ではなく、二男に引き継がせるようにしておく。そうすれば安心だ。まだ後継者は心もとないので、議決権は自分がもったまま、株式だけを最低の税金で後継者に移しておきたいなどと、虫が良すぎる相談も多いが、こちらも株式を配当などの収益権と元本に分けて、元本部分だけを後継者に贈与しておくという信託を活用すると実現が可能だ。

ある人に「千葉さん、法律は誰の見方でもありません。知っている人の見方ですよ。」と言われたが、まさしく税法は、税金の多寡に如実に現れる。

様々な手法を勇気をもって先駆的に実行していく人に、結局は幸運の女神が微笑んでくれているようだ。

私も今年のセミナーは「新税制の相続・事業承継シリーズ」とした。今年のセミナーで詳しく解説していきたいと思う。ご興味のある方は、是非会場までお出かけください。お待ちしています。

2015年1月3日(土)  著者 千葉 和彦

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