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高くなり過ぎた自社株対策は?その1
(平成27年 3月)

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 事業承継対策と言えば、まず自社の株式の対策だ。甲社長は30年前に会社を興した。資本金1000万円も社長が一人で出資し、自らが先頭に立ち無我夢中で頑張ってきた。

社員数も増え会社で社屋も購入し、何とか毎期経常利益を出せるほどになった。しかし最近出る会合、会合で事業承継という言葉が聞こえてくる。

何やら周囲が騒がしいのだ。先日も友人から「お前の会社の株式は今いくらくらいしているの?」と聞かれた。「資本金1000万円だから1000万円でないの」と甲社長は答えた。すると友人は「何を言っているのだ。それは額面だろう。俺が聞いているのは評価だよ。評価。」と言う。

甲社長は「そんなの計算したこともないしわからないよ」と憮然として言った。すると友人は心配そうにこう言った。「すぐに顧問の税理士に頼んで、評価してもらえよ。会社の株式の評価は計算上額面の何倍にもなっているケースが多いようだよ。

もし10倍だったら1000万円の資本金は1億円と計算されて、それがお前の相続財産の一つになるのだぞ。」甲社長は、慌てふためき、早速顧問税理士に評価をしてもらうと何と50倍とのこと。

顧問の先生曰く「社長の会社は、社長の頑張りで過去20年以上一度も赤字を出していない優良会社です。そのため、内部留保もしっかり積み上がった結果そのくらいの評価になったのです。もし社長に万が一のことがあると億単位で相続税がかかってきますよ。」と涼しい顔。

更に顧問税理士は「社長のところは高くなりすぎていて、小手先では評価はいくらも落ちません。評価を落とせないと移動も難しいので、手が着けようがないということです。」と続けた。

甲社長は顔を真っ赤にして「先生、何故もっと早くアドバイスしてくれなかったのですか?」と声を荒げて言うと、顧問税理士は「今まで何度もアドバイスしたのに、社長は聞く耳さえ持ってくれなかったではないですか。わたしのせいにされても困りますよ」とあきれ顔で言った。

目の前の業績を上げるのに精いっぱいで確かに経理を甘く見てきたことは自分が一番知っている。あまつさえ、顧問税理士には税務申告だけきちんとしてもらえばよいと考えていた。何とか優良企業にしようと日夜を問わず、頑張ってきた報いがこれかと思うと眠れない夜が続いた。

 どうでしょうか。皆さんにも心当たりのあるお話ではありませんか。もし、甲社長のように、まだ自社株の評価をしていない社長は、すぐに顧問税理士に評価をしてもらってください。まずは自社の状態を知ることが先決です。

 対策は、自社の状態を把握してからです。聞きかじりで、やみくもにやっては失敗のもとです。甲社長の顧問税理士は手の打ちようがないと、さじを投げたように言っていましたが、対策が全くないということではありません。

 甲社長の顧問税理士は、口をすっぱくしてアドバイスしてきたのに聞く耳を持たなかった甲社長に少し意地悪をしたのかもしれませんね。

 甲社長のように何歳からでも遅すぎるということはありません。失敗するのは諦めてしまう場合です。諦めずにいろいろな情報を取り入れ、前向きに取り組んでいけば必ず道は開けます。次回は具体的な対策をお話しします。


2015年2月18日  千葉 和彦


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