千葉和彦税理士事務所 宮城県塩釜市玉川1-2-40

JPBM永年表彰に参加して
(平成28年8月)

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 震災後久しぶりに、東京のJPBMの全国統一研修会に出席した。何故なら本部より永年会員の表彰をしたいので、今回の大会には参加してほしいと何度も連絡をいただいたからだ。会場では、懐かしい会員に再会することができ、とても有意義な東京出張になった。

このJPBMとは「日本中小企業経営支援専門家協会」のことだ。あまりにも長たらしい名前なので簡略化して言われている。

会の趣旨は中小企業の経営支援を9士業(公認会計士、税理士、中小企業診断士、社会保険労務士、弁護士、不動産鑑定士、弁理士、技術士、司法書士)で連携していこうというものだ。

前身は「日本事業承継コンサルタント協会」で当初は税理士、会計士のみで相続・事業承継の勉強会や実践を行っていた。私はその時からの会員で、毎月事業承継問題の勉強会に出席していた。

その後、中小企業の事業承継、経営支援は税理士、会計士だけでは対応が難しいということで今回の会ができたのだ。約300名の会員がおり、日本最大規模だ。全国に会員がおり、情報を交換しながらお互い切磋琢磨をはかっている。

私も、震災前には度々出席していたが最近はご無沙汰していた。久々にお会いした専務理事に「ただ会費を払い続けた会員なのに表彰はお恥ずかしい限りです。」と話すと「そのような会員も会では重要ですよ。」と冗談を言って慰めてくれた。

 分科会では農業の6次産業化に取り組んでいる方の話を聞くことができた。6次産業化とは、農業や水産業などの1次産業が食品加工・流通販売にも業務展開している経営形態を表す。このような経営の多角化を6次産業化と呼んでいる。

すなわち農家などの生産者が作ったものを自ら加工し、販売まで行うということだ。極端な成功例ではタレントの田中義剛さんの北海道の花畑牧場「生キャラメル」をイメージしていただけるとわかりやすい。

しかし、実際に農家の方だけで手がけることはリスクが高すぎる。そこで加工、販売のプロと連携することが重要になる。

会場には福島から(株)フルーツファームカトウの加藤さん、農業生産法人スワンドリームの三浦さん、福島の食大学の鹿野シェフが参加していた。

加藤氏は、土壌にこだわり化学肥料は使わず独自の酵母土を30年かけて生み出した。その土から生まれる吟壌桃(土壌の壌を使うほど土に大きな思いれがある。)はまさしく別格のとろけるような甘さだった。サクランボ、リンゴもその土で生産している。そこで加藤氏は一昨年、りんごを使ったお酒にも挑戦し、見事なシードルを作り上げることに成功した。

しかし昨年、3000本分のシードルを世に出すため、生産委託をある醸造所にお願いしたところ、これが大きな悲劇を生んでしまったのだ。

その醸造所にシードル生産のスキルがなく、暖冬の影響もあったのだろうか、腐敗臭のする失敗作となってしまったのだ。「約3トンのリンゴを台無しにしてしまった。」(加藤氏)という。

更に悪いことに、醸造所との間の契約はきちんとできておらず、その出来栄えに対し、何の保証もなかった。加藤氏は「醸造所も自分でやるべきだ」と決意した。

現在JPBMのネットワークの支援で醸造所建設に向けて事業計画が進められている。「イタリアの何もない片田舎に、キノコ料理だけを食べに世界中から人が集まる場所があるんですよ。うちの農園にもシードルや果物を楽しんでもらえる場所を設けて世界中から人が来る場所にしたいですね。」と加藤氏は夢を語っていた。

我々会員はその夢の実現に向けて一緒に関わっていきたいと思う。 

2016年7月27日(水) 著 者  千葉 和彦

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