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長寿企業に秘訣を学ぶ
(平成28年10月)

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 人間は生まれてからすぐに死に向かって行く。会社も創業と同時に倒産に向かって進む。

人間と企業では大きく異なる点がひとつある。人間はどんなに努力をしても150年は生きられないが、企業は、そのやり方次第では100年以上、ひいては1000年生き残れるのだ。

実際、現在も存続している「金剛組」は、「儲け過ぎない。」「政治に近づかない。」をモットーに、創業してから1400年以上続いている。地元宮城でも伊達家湯浴み御殿として栄えた「ホテル佐勘」は832年続いている。

現在、日本国内には400万事業者あると言われているが、そのうち、100年以上続いている企業は5万社~10万社しかなく、いかに存続が厳しいかが容易に想像できる。創業200年以上ともなればわずか3100社しかない。

しかし、驚くことに世界全体の40%が日本に集中しているのだ。日本はある意味世界的にも珍しい「長寿企業王国」と言っても良いのではないか。

私は、昔ながらの日本独特の要因が重なり、多くの老舗企業を生み出しているのではないだろうかと考えている。

その証拠に、例えば隣国の中国は4000年の歴史を誇るが、創業100年以上の企業はほとんどない。

これは中国の血縁重視の家長制が大きく影響している。中国の昔からの格言「有能な他人より無能な血縁を信頼せよ」からも理解できる。

すなわち、たとえ長男が次期経営者に向いてなくても有無を言わせず跡を継がせるわけだから結果は自ずと知れたところだ。

日本と言えば古くから「家」の存続を第一に考えるため、血縁にはこだわらないところがある。「息子は選べないが婿は選べる。」と娘が生まれると、大阪の船場では、お赤飯を炊いて祝う風習が続いている。

すなわち日本独特の養子制度というものが、これら多くの老舗を生み出している一要因にもなっていることは間違いない。

 日本における老舗企業は、「血」に固執しない柔軟性と他者を受け入れる許容力で意思決定の判断基準を目先の「儲け」に置かず、常に「社是・社訓・経営理念」に置いているようだ。

そのことは逆に、その判断基準を忘れた時に、たとえ老舗といえども幕を閉じることになる。

まだ記憶にされている方も多いと思うが、ペコちゃんで知られた(株)不二家は創業家の、利益至上主義で消費期限切れの原料を使用し、倒産寸前に追い込まれた。

あの有名な(株)赤福も同様な理由でかつての勢いはない。まさしく、創業者の「経営理念」をしっかりと受け継いでいくことでしか老舗企業にはなれないのだ。

真の老舗企業とは「驕らず」「謙虚に」常に時代の先を読みながら「改革の精神」で取り組み続けているところなのだ。

アメリカの数少ない老舗企業(もちろん国自体が建国240年と若いので無理もないかもしれない。)の中の「ジョンソン&ジョンソン」(創業130年)はその長寿の秘訣を聞かれ、「Our Credo(我が信条)(経営理念)」と答えていることを見ても明らかだ。

まだ「経営理念」を持たずに、その場、その場で判断されてきた会社はまずこの「経営理念」作りから是非進めていただきたい。

当社では「将軍の日」と題したセミナーで「経営理念」を作るところからご支援させていただきます。

2016年9月30日(金)         著 者  税理士  千葉  和彦

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