千葉和彦税理士事務所 宮城県塩釜市玉川1-2-40

生命保険を活用した贈与
(平成28年12月)

エッセイ一覧へ

←前へ 次へ→
 贈与は相続対策の王道であり、早くからこまめに行うのがコツと言われているが、わかっていてもなかなか面倒くさいのが現実だ。

何故なら贈与契約書をかわし、110万円(この金額まで無税)を毎年、贈与し続けるなど誰でも煩わしいし、教育上も好ましくないのではと考える。

不労所得が毎年110万円入ってくればもらった人は無駄遣いしてしまうのが世の常だからだ。

その無駄遣いを恐れて子ども名義あるいは孫名義の通帳を作り毎年110万円を贈与している人がいるが、その努力も水の泡になることが多い。

というのも、その場合、そもそも贈与契約は成立していないとみなされ、相続発生後「名義預金」として被相続人の相続財産に含まれてしまうからだ。

「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手側に与える意思を表示し、相手側が受諾をすることによって、その効力を生ずる。」とされており、つまり「贈与者の意思」「受諾者の意思」があって初めて成立するものなのだからだ。

 従って、受諾者の意思がはっきり確認できない場合は「名義預金」として扱われてしまうことになる。

そこでこの名義預金とならないためには、①贈与契約書を毎年贈与のつど交わす。②贈与税の申告書は毎年保管しておく。③通帳の管理は受贈者自身が自ら行う。これらのことが重要だ。

 そこで、受贈者に無駄遣いさせないようにしながら自分の相続対策もかねてしまう「保険料贈与プラン」が注目を集めている。

それは保険料相当額の現金を親(または祖父母、以下同じ)から子ども(または孫、以下同じ)に生前のうちに暦年贈与し、それを原資にして子どもが保険に加入するというものだ。

契約形態は、契約者及び死亡保険金受取人が子ども、被保険者が親となる。このようにすれば、子どもが無駄遣いもできなくなるし、将来の相続税の納税資金確保にも活用ができる。

この場合親は自分の確定申告で生命保険料控除を受けないように注意することが必要だ。(子どもの確定申告で控除する。)子どもが死亡保険金を受け取っても、相続税ではなく、一時所得として子どもに所得税が課せられる。

一時所得の税率は所得税住民税合わせて最高55%だが、一時所得{(生命保険金-保険料-50万円)×1/2=一時所得}が1/2にされるので、最高でも税率は27.5%でおさえられる。

毎年の保険料贈与も煩わしいという方向きに「生存給付金付終身保険」を活用した生前贈与プランも最近発売されている。

毎年、契約者が指定する受取人に「給付金」を支払うだけのシンプルなものだ。

メリットは①まず「贈与契約書」の作成が不要。(民法上の贈与ではない。相続税法上のみなし贈与に当たるため)②生命保険の仕組みを活用することから定期贈与にも該当しない。③贈与を受ける者の預金口座に保険会社が振込み、「お支払通知」(贈与の記録)を保険会社が発行するというものだ。面倒くさがりの人には効果的なプランだ。

 保険を使った対策は節税も大事だが、それ以外に相続発生時にすぐに現金化でき、納税資金に使えることが重要だ。(遺産分割協議が必要ない。)

また、たとえ相続放棄しても受け取ることができるなどメリットが大きい。何よりも継がせたい人に継がせたい財産を残せるということが最大のメリットだ。年末に向けて保険の活用を考え直してはいかがだろうか。

2016年11月28日(月) 著者 税理士 千葉和彦

http://hpcounter1.nifty.com/cgi-bin/counter.cgi?u=TKC07297&p=9&c=6

Copyright Chiba Keieikikaku (c), All rights reserved.