千葉和彦税理士事務所 宮城県塩釜市玉川1-2-40

いよいよ消費税アップが本格化・・企業の対応は?
(令和元年6月)

エッセイ一覧へ

←前へ 次へ→
  当たり前のことだが、お客様と正面を向いて付き合う。このことをいつも念頭において仕事をしている。仕事柄、お客様からいろいろな相談を持ちかけられる。その場合、第一に考えることは、お客様の最大のメリットは何か・・・だ。必ずこの基準で相談に乗るようにしている。相談ごとは、税の話ばかりではない。資産活用や様々な対策など、むしろ、税が発生する以前の相談の方が多いかもしれない。そういう時は、各方面の業界の方につなぐこともある。しかし、それがお客様にプラスにならない場合は、つなぐことはできない。

 大企業の営業マンの方とお会いするときは、正面を向いて付き合ってくれる方かどうかを考えながらお会いする。営業マンの中には、私が求める方向と向く方向が異なっている方も多い。サラリーマンなので、顔を向けているのは後ろの上司であり、会社にならざるを得ないのはわかる。しかも、全員参加の昇進レースともなれば、顔を向ける方向は壁に張り出された営業成績になることは当然かもしれない。

  しかし、中には、ほんとに自分の成績よりお客様のメリットを第一に考えて、アドバイス、提案している営業マンもいる。だいたい会社内部では変わり者として、上司の評価も低く、出世街道も外れがちだ。しかし、お客様からの信頼には絶大なものがある。私の知り合いの建設関係の営業マンがそういう人だった。地主さんの信頼は厚く、その方の提案で、ほとんど実行が決まるのだが、建築の契約をするときには、その方は転勤で他の営業マンが果実を取ることになになる。その繰り返しだ。「悔しくないですか?」と聞くと、「サラリーマンの宿命です。」と意に介さない。凄い人だといつも感心していた。そして、私は、その人を自分の中で、勝手にニックネームを付け、「種まき人」と呼んでいた。その方がしばらくして、私の事務所に他の会社の名刺を持って現れた。なんと、大企業の「営業統括部長」という肩書だった。

 「捨てる神あれば拾う神ありですね。」といつもの穏やかな表情で挨拶してくれた。お客様だけが自分のことを評価してくれていればいいと思っていたが、他の会社から、かなりの好条件でスカウトされたとのことだった。やはり見ている人がいるのだなと、とても我がことのようにうれしく思った。また、このように埋もれた「種まき人」をきちんと評価できる人のいる会社は、更に業績が伸びていくことだろうとも思った。

  人材不足と叫ばれる時代だが、アンテナを四方八方に張り巡らしていると意外に誰も気づいていない「種まき人」を見つけることもできる。ある会社の社長は、自社にセールスにくる営業マンから居酒屋のアルバイトの店員まで、この人と思った人物はスカウトしている。そして、その社長曰く「中小企業の社長は、ただ人が足りない、足りないというだけで、真剣に人材確保に取り組んでないだけです。」と耳の痛い話をされていた。まさしくその通りで、反論の余地もなかった。いつも自分自身のアンテナを張り巡らせておけば、思わぬ「種まき人」を見つけることが出来るかもしれませんね。応援しています。


2019年5月30日(木) 著 者   税理士  千葉 和彦