千葉和彦税理士事務所 宮城県塩釜市玉川1-2-40

貴方は、何を志しますか?
(令和元年7月)

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  月に1回程度、東京のコンサルタントの先生と同行している。私が車で仙台駅まで迎えに行き、お客様を訪問するのだが、その車中での会話の一コマです。

私「パチンコ業界は衰退の一途で、大変なようですね。」
先生「そうです。店舗数もピーク時の半分近くまで減りました。今後ますます厳しくなっていくでしょう。」
私「業績の悪いところばかりですか?」
先生「いえ、そうとも言えないです。業績の良いところは、まだ沢山あります。実は、先日、同じ厳しい環境の中で、なぜ貴社の業績が良いのですか?とある社長に聞いて見ました。」
私「そうですか。それで、一体なんとその社長は答えたのですか?」(興味津々・・)
先生「その社長が言うには、経営者の志の違いだそうです。志のない経営者は、少しお金が入ると、私利私欲で大切なお金を浪費してしまい、失敗してしまいます。志を高く持ち、社員の待遇改善などに真剣に取り組んでいると、社員は頑張ってくれるものです。その結果、業績も上がるのです。と話していました。」
私「えっ、志ですか?」(平凡な答えのようで、なんと奥深い・・その社長は吉田松陰のファンか・・)

 しかし、家に帰ってからも、その言葉が頭から離れませんでした。確かに、中小企業の業績は、99%社長の肩にかかっていると言われています。経営改善計画で、まず、最初にすることは財務分析です。その会社が、余程巧みな粉飾でもしていない限り、その会社の現状はわかるものです。経営改善は、そこから経営課題を抽出して、その課題克服を考え、アクションに移していくことに尽きます。しかし、その時に、経営者自身に「必ず改善して見せる。」と言う強い意志がないと、改善計画は成功しません。何と言っても大事なのは、経営者のマインドです。

 以前に聞いた話ですが、ある税理士が経営者にアドバイスする技術を磨くには、アメリカで経営学を専門に勉強してこなければダメだと考えたそうです。それで、意を決し、渡米し、大学院で経営学を勉強した上に、MBAまで取得して帰ってきました。そして、最高の知識を蓄えた経営コンサルタントとして、華々しく活動を始めました。しかし、何年かして、彼はコンサルタントを辞めてしまいました。なぜかというと「いくらアドバイザーが知識を持っていても、経営者にやる気がないと、何もできない。ということに気づいたので辞めた。」ということでした。

 やはり経営で一番大事なのは、経営者自身がいかに志を高く持ち続けられるかどうかにかかっているのですね。私もその言葉を噛みしめながら、経営者の皆さんの応援をし続けたいと気持ちを新たにしました。経営者の皆さん、応援しています。

2019年6月30日   著 者  税理士  千葉 和彦