千葉和彦税理士事務所 宮城県塩釜市玉川1-2-40

共有名義の不動産は、早めの対策を!
(令和元年10月)

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 不動産の「共有」は遺産分割において避けた方が良いと言われています。「共有」とは、一つの土地などを複数人で所有している状態をいいます。私も実務で多くの困ったケースを見てきました。土地を兄弟2人で相続して、仲良く駐車場として活用していたケースですが、その後その兄弟二人にも相続が発生して、6人の共有になってしまいました。条件の良い売却の話がありましたが、共有者の中に反対するものがいて売却できませんでした。その後その土地の上に商業施設を建てて貸すという話が持ち上がりましたが、それも全員の賛成を得ることはできませんでした。

 もうお分かりかと思いますが、「共有」の場合、一人でも反対するものがいると売却(持分売却はできますが、第三者が買う場合は、全員の持分を購入できなければ意味がないので、現実的ではありません。考えられるのは、他の持分所有者が購入する場合だけです。)も有効活用もできません。しかも厄介なのは、共有者の相続で、共有者がどんどん増えていくことです。そのため早い段階で共有を解消しなければなりません。対策としては、下記のことが考えられます。

① 共有物を分割(具体的には分筆)し、各々の持分に応じて登記し、単独所有にする。
  この場合、同面積で分割しても、土地の位置・形状等で、分割前と同じ価格になるとは限りませんので、同じ価格比になるように注意が必要です。また共有者と連絡が取れないような場合は、裁判所に共有物分割請求訴訟を提起し、裁定により共有名義を解消することもできます。

② 共有持分を贈与、売却する。
  通常いずれも他の共有者が対象になるケースが多い。売却の場合、譲渡所得税がかかる。贈与の場合は、相手側に贈与税がかかるので、注意が必要です。

③ 共有持分の交換
  互いに共有している2つの土地がある場合、自ら所有する土地の共有持分と、他者が所有する土地の共有持分を交換することにより、各々の土地を単独所有とすることができます。この場合も交換する不動産に価格差が生じないように注意が必要です。

  最後に共有持ち分の解消がすぐにできない場合は、信託の活用を提案します。例えばアパートなどを相続し、共有になっている場合など、信託を活用すると、賃貸、管理、修繕、売却など共有者の意向に関係なく、受託者の判断でできます。委託者、受益者はスタート時点で同じに設定することになりますが、信託契約で第二次受益者を決めておくことなどで、共有解消にも威力を発揮することになります。ぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。

2019年9月30日  著 者  税理士  千葉 和彦