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新型コロナ後を見据えて、今こそ社員教育に取り組もう!
(令和2年7月)

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    先日お会いした社長が言うには、最近急に、会社への入社希望者が増えだしたとのこと。それで面接日を決め、どこから応募してきたかを聞くと東京からという人が多いので、少し後ずさりしてしまうと言っていた。


 私は、その社長の話を聞いてコロナ後の人の流れが「大都市から地方へ」という流れが始まっているのかもしれないと感じた。「地方から大都市へ」という人の流れは、過去の常識となり、今後は、地方への流れが強くなってくるのではないかと。今やITの進化は日進月歩で、ITツールを活用すれば、どこでも仕事もこなせるし、生活コストが安く、3密を避けられる地方への流れが容易に予想される。先日、内閣府で発表された調査では、テレワーク経験者のうち、4人に1人が地方移住への関心を高めているという。


 そう考えると、地方企業の人材確保に明るい兆しが見えそうだが、決してそのようなことはない。その理由は、第一に日本の人口減少傾向だ。また第二に外国人人材の減少である。近年、海外実習生などの外国人が、地方の中小企業の重要な働き手になってきていることは否めない。


 政府も2019年4月から特定14業種での特定技能資格の創設などで積極的に外国人受け入れに力を入れてきたが、今回のコロナ禍で見直される可能性が高い。地元の中小企業は、相変わらず人材不足に悩まされることは変わらない。そこで、やはり今やるべきことは社員教育だと私は思う。今いる人材の能力を最大限引き出しているか、会社にとって生産性をもたらす仕事の与え方になっているかを再考する絶好の機会ではないかと考える。


 人材教育には、社員個々のスキルアップ、能力アップは当然重要だが、より重要なことは、組織能力の向上である。組織能力を向上させるためには、社員全員のベクトルを同じ方向に向かわせなければならない。社員が不安になっているときこそ、会社がなにを目指しているのか、どこに向かっているのかを社長が先頭に立って指し示すことが大事だ。


 そこで重要になってくるのは、会社の「経営理念」で、その理念が社員の一人一人に浸透していなければならない。具体的には毎朝朝礼で唱和をしたり、ミーティング時にも開始前に唱和していくなど、社員一人一人が「経営理念」に触れる機会を増やすことが必要だ。どんな立派な「経営理念」でも社員に浸透していなければ、「絵に描いた餅」だからだ。個々のスキルアップや能力アップを目指す社員教育は、ただやみくもに行うのではなく、この「経営理念」に沿って戦略的に取り組まなければならない。


 反復するが、今この時期こそ社員教育の時期だということを再認識して経営に取り組んでもらいたいと思う。




2020年6月29日 著 者 税理士  千葉 和彦