千葉和彦税理士事務所 宮城県塩釜市玉川1-2-40

倒産しないために!
(令和2年11月)

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  「倒産」という言葉は経営者なら誰しも聞きたくない言葉です。
しかし現実には年間公表されている数だけでも8000件以上が「倒産」しています。この数字には廃業等は含まれていませんので、廃業も合わせると3万件くらいになります。


  倒産という言葉は法律用語ではなく、明確な定義もありませんが、具体的には企業が債務の支払い不能に陥ったり、経済活動を続けることが困難になった状態を指します。倒産の直接的な引き金は、手形の不渡りです。6か月以内に2回の不渡りを出すと、銀行取引停止になり、すべての金融機関との当座取引や融資は受けられなくなります。


  この状況が倒産と呼ばれてます。どうしても倒産したくない場合には、手形振出し先ごとに交渉して分割払いにしてもらうなど工夫すれば生き残ることも可能です。ここでも重要なのは経営者の執念ですが、ほとんどの経営者はこの段階でギブアップします。であれば、手形を振り出さない経営に徹することです。手形を振り出さなければ、資金繰り悪化で、すぐに倒産という事態は避けられます。


  上記のことを経営者の方に話すと「私たちの業界は商慣習で手形はつきものなのですよ。取引先が皆手形を振ってきますから、当社だけ手形を振り出さないなんてことはできないのですよ。」という方がいますが、決してそのようなことはなく、トップの方針次第で手形を無くすことは可能ですし、手形をやめた会社を何社も見てきています。経営者の中には「手形を振り出すくらいなら仕事やめますよ。」という意気込みで経営している人もいます。


  倒産の一番の原因は「販売不振」と言われていますが、たとえ販売不振で売り上げが急減しても、日頃から内部留保をしっかり確保していれば慌てることはありません。リストラ資金も出せますし、金融機関もリストラ資金を貸してくれます。経営は生き物ですからいつも順調とは限りません。その時のために、調子が良い時に戦略的にしっかりとお金をためておくことが必要なのです。会社の自己資本比率(純資産/総資産)が40%以上必要だと私が日頃から言っているのもこのことがあるからです。


  私は、あるメーカーの営業マンをしていたこともあります。売り上げを無理に上げるために、回収が甘くなる傾向がありました。その時、経理課長が私の出先まで追いかけてきて、凄い勢いで叱られたことが忘れられません。


  あのような経理マンが居る会社は安心です。トップが営業だけを優先し、(トップの方は営業出身方が多いのですが・・・。)経理、財務を軽視しているところは、危険です。トップも決算書の読み方を自ら勉強しなければなりませんが、経理、財務担当者を重要視することが大事です。企業存続の鍵を握っているといっても過言ではないからです。日頃からしっかり資金の流れを把握し、内部留保を高めることに尽力できるのは経理担当者です。そうすれば、急な販売不振に慌てることなく次の手が打てるからです。


  老舗企業目指してがんばってください。







2020年10月31日(土) 著 者 税理士  千葉 和彦