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東日本大震災 特例Q&A (H23.4.2 河北新報掲載)
 

東日本大震災は甚大な損害を被災地にもたらしました。金融機関の経営への影響、通帳やキャッシュカードを紛失したり預金者、損壊した住宅のローンの取り扱いはどうなるのか。被災した中小企業やその従業員、農林漁業者らが利用できる、復興に向けた官民の幅広い金融支援策や保険会社の対応などをまとめました。

 
中小企業
 【手形取引】銀行が不渡りを猶予
 【失業手当】離職せず受け取り可
 
Q1.振り出した手形が不渡りにならないか心配です。
A1.被災企業の手形取引で銀行が不渡りを猶予する特例措置を実施しています。具体的には震災のため支払い不能となった手形や小切手は、手形交換所規則に基づく不渡り報告への掲載や取引停止処分が猶予されます。
 
Q2.融資の返済が厳しくなり困っています。
A2.金融庁が中小企業金融円滑化法の趣旨を踏まえた返済条件緩和や、当面の資金を確保するための融資にできるだけ応じるよう銀国などに繰り返し要請しています。金融機関に相談してください。
 
Q3.事業再建のための融資を受けたいのですが。
A3.日本政策金融公庫などが被災企業向けに低利で資金を融通するための多彩なメニューを用意しています。問い合わせ先は中小企業電話相談ナビダイヤル(0570)064350。一般の金融機関でも被災者向けの低利融資を扱っています。
 
Q4.被災して一時的に休業しました。従業員に手当てを支払う場合の助成措置はありますか。
A4.一定の条件を満たせば雇用調整助成金が利用できます。従業員一人、一日当たり7,505円を上限に一定の割合で助成が受けられます。
 
Q5.事業所が倒壊し休業、給与を支払ってもらえません。
A5.勤務先の事業所が被災して休止・廃業となった場合、離職していなくても従業員は特例として失業手当を受け取ることができます。福島原発の事故で避難や屋内退避となっている地域も対象。未払い賃金を国が立て替えて払う制度もあります。最寄りのハローワークに聞いてください。
 
Q6.農林漁業者向けの低利融資制度はありますか。
A6.日本政策金融公庫は自然災害などの被災者を対象に600万円を上限に運転資金を供給する「農林漁業セーフティネット資金」融資を実施しています。それとは別に施設などの復旧や更新、経営安定化のための融資制度でも対応。漁船の建造資金も融資しています。問い合わせは同公庫まで。平日はフリーダイヤル(0120)154505、土日祝日は(0120)926478。また設備や農機具などの購入資金を提供する「農業近代化資金」もあります。JAバンクなど最寄りの金融機関に問い合わせてください。
 
金融機関
 【預金引き出し】免許証で10万円まで
 【住宅ローン】損壊なら金利優遇も
 
Q1.被災地域では融資の返済が困難になっている企業は多く、金融機関自体も大きな損害を受けました。銀行や信用金庫の経営は大丈夫ですか。
A1.日銀が大量の資金を供給しており資金不足に陥る心配はありません。被災地の信金や信用組合は、それぞれ中央組織が支援していますし、いざという時には公的資金による資本増強が可能です。
  
Q2. 津波でキャッシュカードや通帳、印鑑を紛失しました。預金は引き出せますか。
A2. ほとんどの金融機関は免許証などによる本人確認を条件に窓口で10万円まで預金の払い出しに応じています。ゆうちょ銀行は20万円まで引き出せます。一部の地方銀行では、1日10万円まで、預金残高の範囲内で繰り返し引き出せます。
 
Q3. 他県に避難しているため地元の銀行に行けません。
A3. 信金やJAバンクは全国で引き出せます。福島県の東邦銀行、茨城県の常陽銀行は他県に本店を置く一部の銀行と提携し県外でも払い出しができます。岩手県の北日本、宮城県の仙台、山形県のきらやか、福島県の福島、大東の各銀行でも同様の取り組みを始める予定。
 
Q4. 住宅が壊れてしまいました。ローンはどうなるのでしょうか。
A4. 住宅金融支援機構は損壊の程度に応じて金利を優遇したり、返済を一時猶予するといった柔軟な対応をしています。再建・補修費用も融資します。問い合わせは被災者専用ダイヤル(0120)086353。一般の金融機関も通常よりも低利の融資を取り扱っています。毎月の返済額を減らすなどの対応もしています。
 
保険
 【家屋】補償手続きを簡略化
 【生保】減額の規定適用せず
 
Q1.大震災では、多くの家屋が地震で倒れたほか、地震による津波や火災で被害を受けました。加入している損害保険会社の火災保険で補償されますか。
A1.火災保険の加入だけでは、保険金は支払われません。地震保険の加入が必要です。
 
Q2.地震保険とはどういうものですか。
A2.地震による建物と家財の損害を補償する任意の保険です。火災保険とセットで契約します。地震や噴火、これらで引き起こされた津波や火災による損害を補償します。損害度合いを「全損」「半損」「一部損」の3区分にし、それに応じた保険金が支払われます。ただ、補償額は火災保険の保険金額の50%までの設定で、建物の補償限度額は5千万円となっています。
全損 保険金額の
100%
@基礎・柱・壁・屋根などの損害額が、建物の時価50%以上
A焼失・流失した床面積が、建物の延床面積の70%以上
半損 保険金額の
50%
@基礎・柱・壁・屋根などの損害額が、建物の時価20%以上50%未満
A焼失・流失した床面積が、建物の延床面積の20%以上70%未満
一部損 保険金額の
5%
@基礎・柱・壁・屋根などの損害額が、建物の時価3%以上20%未満
A建物が床上浸水または地盤面から45pを超える浸水を受け損害が
生じた場合で、全損・半損に至らないとき
   
Q3.地震保険の支払総額が1兆円規模との試算もありますが、損保会社の経営は大丈夫ですか。
A3.支払に備えた準備金を政府と損保が約2兆3千億円積み立てており、そこから支払われます。
 
Q4.支払いに時間がかかりませんか。
A4.迅速な支払のため、津波などで壊滅的な被害を受けた地域を航空写真で「全損地域」と認定し、そこにある建物は保険金を満額支払うことにし、手続きを簡略化しました。
 
Q5.保険証券を紛失してどの損保と契約しているのか分かりません。
A5.日本損害保険協会のフリーダイヤル(0120)501331で、名前や住所などを伝えれば、契約した損保を調べてくれます。
 
Q6.流された車は自動車保険で補償されますか。
A6.自動車保険の車両保険だけでは支払われません。地震による車両の損壊を補償する特約はありますが、契約率はわずかです。
 
Q7.津波で漁船が使えなくなりました。
A7.大部分の漁船が入っている漁業保険は、地震の損害なども補償対象としており、契約内容に応じて保険金が支払われます。
 
Q8.生命保険業界の取り組みは。
A8.生保契約は約款で地震などの被害が甚大な場合に災害死亡保険金や災害入院給付金を減額したり、支払わなくなったりするという規定がありますが、今回の震災では全額支払う方針です。保険金支払いを請求する際の提出書類も簡略化し、免許証など受取人の本人確認ができる書類があれば、手続きが進められます。
 
Q9.津波の行方不明者の扱いは。
A9.今回は特例措置で死亡した可能性が高いと判断されるという証明書の発行を自治体などの公的機関から受ければ保険金が支払われます。
 
Q10.全国農業協同組合連合会(JA共済連)の共済の扱いはどうなりますか。
A10.建物更生共済は地震やそれによる津波や火災での建物の損害について、火災の時の補償額の2分の1を限度として支払う仕組みとなっています。定期生命共済は災害による死亡で共済金を減額する規定はないので、約款通りの共済金が受け取れます。
 
被災者支援の金融機関の連絡先番号
 
被災者向け融資の相談 保険に関する相談
住宅金融支援機構 (0120)086353
岩手銀行(盛岡市) (0120)251789
東北銀行(盛岡市) (0120)164416
北日本銀行(盛岡市) (0120)601235(個人向け)
(0120)333061(法人向け)
七十七銀行(仙台市) (0120)064377(個人向け)
(0120)651077(法人向け)
仙台銀行(仙台市) (0120)300039(個人向け)
(0120)863787(法人向け)
東邦銀行(福島市) (0120)608104(個人向け)
(0120)104717(法人向け)
福島銀行(福島市) (0120)762940
大東銀行(郡山市) (0120)126554
JAバンク (0120)345502
日本政策金融公庫
(中小企業)
(0570)064350
日本政策金融公庫
(農林漁業)
(0120)154505(平日)
(0120)926478(土日祝日)
生命保険協会 03(3286)2648(東京23区)
(0120)226026(東京23区外)
日本損害保険協会 (0120)107808(相談全般)
(0120)501331(契約会社の照会)